王様やお姫様たちを虜にした宝石

昔は宝石を持てるのは、王侯貴族か神に仕える聖職者だけでした。しかも主に男性が身につけるものだったのです。一国の王が国の繁栄を祈って護符として身につけたり、勝利を収められるよう戦場へ持参したり、あるいは権力の象徴として王冠に飾ったのでした。
古代エジプトでは杖にルビーがはめ込まれていましたし、インドでもエメラルドやダイヤモンドの豪華なアクセサリーをつけています。中世の法王たちも、サファイアを神の宝石として崇めていました。
15世紀以降になると宝石の研磨や金工の技術が飛躍的に高まり、17世紀初頭にダイヤモンドを最高に輝かせるカット法が考案されると、ダイヤモンドの格が一気に上がると同時に、ほかの宝石も美しく見せるカット法が研究されるようになりました。
研磨されて、よりいっそう輝きを増した宝石たちの虜になったのが、当時の王様やお姫様たちでした。中でもフランス王は、「王が動くとダイヤモンドの音がする」と言われたほど宝石を買い集めたのです。